バナナ茶漬けの味

東京でバナナの研究をしています

2017年よかったもの

2017年いいと思ったものを発表します。メモ程度ですが……

 

・2017年一番印象に残っている色、映画『ムーンライト』のブルーです。

 

・2017年一番かわいかったもの、フジロックビョークが連発してた「アリガットゥ!!」です。

 

・2017年最も良かった短編映画、『マスター・オブ・ゼロ』のシーズン2エピソード6「ニューヨーク、アイラブユー」です。あれを映画と呼ばずしてどうしましょう!

・『マスター・オブ・ゼロ』は全編素晴らしいのですが、上記の「ニューヨーク、アイラブユー」に加えて、エピソード8「サンクスギビング」にも震えました。『マスター・オブ・ゼロ』もそうだし、『ひよっこ』もそうだったけど、とにかく「ユーモラスさとエモーショナルさはほとんど同じもの」ということを意識させられ続ける一年でした。カート・ヴォネガットの小説や、北野武ウディ・アレンの映画なんかもそうじゃないかな。僕自身もユーモアを大切にしていこうと思います。

・もちろん『ストレンジャー・シングス』も最高でした。ふつうの少年少女が邪悪なものに立ち向かう様、とってもビリビリしました。

 

・2017年公開の新作長編映画だと、『ムーンライト』のほかには、『ラ・ラ・ランド』や、『退屈な日々にさようならを』や、『T2 トレインスポッティング』や、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』や、『メッセージ』や、『夜明け告げるルーの歌』や、『美しい星』や、『ローガン』や、『ベイビー・ドライバー』や、『パターソン』や、『ダンケルク』や、『散歩する侵略者』や、『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』や、『ゲット・アウト』や、『立ち去った女』や、『ブレードランナー2049』や、『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』や、『エンドレス・ポエトリー』がよかったです。『たかが世界の終わり』は扱っている題材がかなりよかったので、グザヴィエ・ドランじゃない人が監督したバージョンも観てみたくなりました。グザヴィエ・ドランもいいんだけど。

・『パターソン』は特によかった! パターソンという寂れた街でパターソンという男が過ごしている日常の美しさに、感極まってしまいました。僕も日常に美しさを見出す病に罹患し、10月の終わりのある夕方、巣鴨駅前で、SEIYUのレジ袋片手に、空にかかった虹をスマホで撮影していたおばさんの姿などにもグッとくるようになってしまいました。しかしアダム・ドライバーはいいですね、繊細なデカさというか。彼の背中、東京ドーム50個分くらいあるのではないでしょうか。「デカい」という身体性も重要だ。

・『メッセージ』はテッド・チャンの原作(「あなたの人生の物語」)も併せて読んだらさらにグッときました。どちらも素晴らしい。映画と小説というメディアの違いを表す好例だと思います。

・あと、『スパイダーマン ホームカミング』のピーター・パーカー(トム・ホランド)の声がめちゃくちゃ高かったのがよかったです。スパイダーマンにはああいう軽さがなくちゃいけないと思います。

・旧作映画では、エドワード・ヤンの諸作が特によかったです。ほかにも、エリック・ロメールのいくつかの映画や、『ロッキー』・『ロッキー2』や、ルキノ・ヴィスコンティのいくつかの映画や、『仁義なき戦い』や、アンドレイ・タルコフスキーのいくつかの映画や、『灼熱の魂』や、『タンジェリン』や、『シンプルメン』や、『パリ、テキサス』や、『バンコクナイツ』や、『ロシュフォールの恋人たち』や、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や、『お茶漬の味』や、『ミツバチのささやき』や、相米慎二のいくつかの映画や、『地獄の黙示録』や、『イン・ザ・スープ』や、『スモーク』や、『海よりもまだ深く』や、『パラダイス 愛』(今度『神』と『希望』も観ようと思います)や、『青いパパイヤの香り』や、『シティ・オブ・ゴッド』や、『ベルリン・天使の詩』や、コーエン兄弟の諸作や、『自転車泥棒』や、『ダーティハリー』や、『秋刀魚の味』や、『ミニー&モスコウィッツ』や、『ブンミおじさんの森』や、『動くな、死ね、甦れ!』や、『甘い生活』・『8 1/2』や、『イーダ』や、『インテリア』が。自分がどんな映画を好きなのか、よくわからなくなりました。

 

・いくつか美術展にも行きましたが、ソール・ライター展が一番よかったです。

 

・2017年に発表されたなかでおそらく一番聴いたアルバム、シャムキャッツの『Friends Again』です。日常に溶け込む素晴らしい曲たちでした。エレキをアコースティックに持ち替えてシンプルな音を鳴らすのって、結構尖ったことじゃないでしょうか。さらに、先日発表された新曲「このままがいいね」では、Kings of Leonにも似たスケール感も加わっていたように思います。

・ミツメも素晴らしいシングルを発表しました。「エスパー」も「青い月」も、最高にポップで、ミツメ的なラストスパートもあり、キャリアハイといってもいいかもしれません。ジャケットもMVも大好きです。『ストレンジャー・シングス』や『散歩する侵略者』との共鳴! 

・2017年びっくりしたこと、小沢健二が戻ってきたことです。「流動体について」のアウトロのうねりにはまって抜け出せなくなりました。個人的にセカオワのコラボにはピンとこなかったのですが、子どもがいる人が聴いたらすごくグッときてしまうのかもしれません。

・2017年一番よかったMV、The xxの「I Dare You」です。


The xx - I Dare You (Official Music Video)

・2017年に出たアルバム、(だいたい出た順で、)The xx『I See You』や、Kendrick Lamar『DAMN.』や、Sampha『Process』や、Thundercat『Drunk』や、Calvin Harris『Funk Wav Vol.1』や、Tyler, The Creator『Flower Boy』や、サニーデイ・サービスPopcorn Ballads』や、Cornelius『Mellow Waves』や、柴田聡子『愛の休日』や、SlowdiveSlowdive』や、Yogee New Waves『WAVES』や、ゆるふわギャング『Mars Ice House』や、D.A.N.『Tempest EP』や、Ásgeir『Afterglow』や、Real Estate『In Mind』や、Daniel Caesar『Freudian』や、Gus Dapperton『Yellow and Such EP』や、Mount Kimbie『Love What Survives』や、岡田拓郎『ノスタルジア』や、King Krule『The OOZ』や、CHAI『PINK』や、Ivan Ave『Every Eye』や、N.E.R.D『NO ONE EVER REALLY DIES』がよかったです。フランク・オーシャンが出した曲もすべて好きです。トラップはいまいち咀嚼しきれていません。Futureのアルバムは結構好きでしたが。

・2017年に出たのではないものだと、Talking Headsが一番の衝撃でした。Yo La TengoWilcoのこれまで聴いていなかったアルバムも聴きました。かなり好きでした。

 

・2017年予想外に良かったこと、ロサンジェルスラムズの躍進です。ジャレッド・ゴフもトッド・ガーリーも同い年なので応援しています。

 

・自分のカタカナとアルファベットの使い分け方がよくわからなくなってしまいました。

 

・2017年一番楽しかった本、『百年の孤独』です。マコンドという小さな村とブエンディア家という一族の百年間を描くというそのスケールのデカさにも圧倒されましたが、次々と巻き起こる驚異的なエピソード、そしてあくまで淡々とした語り口にシビれてしまいました。ガルシア=マルケスはほかに『予告された殺人の記録』と『族長の秋』を読みました。これまたシビれる傑作続きでしたが、特に『族長の秋』ときたら! 改行がほとんどなされないなかでのめくるめく視点の切り替え、むせかえるような描写の連なりに、腰を抜かしてしまいました。ラテンアメリカの風土も関係しているのでしょうが、臭いや、グロテスクなものや、汚いものに関する描写がすごい。そこらへんは大江健三郎中上健次にも影響を与えているのかな。

・あと、『コレラの時代の愛』を買いましたが、これは今のところ積読になっています。

・ガルシア=マルケスのほかにも、ラテンアメリカ文学にすっかり魅了され始めており、バルガス=リョサ『密林の語り部』やロベルト・ボラーニョのいくつかの作品を読みました。どれも物語行為について考えずにはいられない作品です。来年はもっと読みます。マジックリアリズムということで、ホドロフスキーの映画も関連させて考えることができるかもしれませんが、ここらへんも来年に持ち越しです。

・リチャード・ブローディガン(と藤本和子さんの翻訳)やグレイス・ベイリーの短編集がよかったです。カート・ヴォネガットも何冊か読みました。これらは北アメリカの文学、ということになるでしょうか。そのほか、吉行淳之介や、三島由紀夫や、高橋源一郎や、『チェルノブイリの祈り』や、J・リャマサーレス『黄色い雨』や、『吾輩は猫である』や、ケン・リュウの短編集や、『旅のラゴス』がよかったです。来年はもうちょっと本を読みます。

 

・『早稲田文学増刊 女性号』が気になっているのですが、どなたかお持ちではないでしょうか。家まで読みに行かせてください。

 

・2017年、はてなブログを始めたのですが、文章の書き方がだんだんわからなくなっていきました。自分では「遅刻はよくない、という話」が気に入っています。

 

hellogoodbyehn.hatenablog.com

 

 

・2017年、将来へのぼんやりとした不安を抱えながらのだらだらした散歩がスリリングでした。

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・2017年一番食べに行ったラーメン屋、山手です。

 

・金沢~福井~京都と、青森(白神山地)に行きました。よかったです。

 

・2017年、車の運転がうまくなりました。母の買い物の手伝いで、イトーヨーカドーへ何度も行きました。「親孝行のザワ」として、地元じゃ負け知らずです。

 

・2017年笑っちゃったもの、ハライチ岩井・フリートーク集です。何もない日常からオカルトを出現させる手腕が素晴らしい。YouTubeにあります。ラジオ「ハライチのターン」も聴き始めました。毎週木曜日24時からTBSラジオです。


ハライチ岩井 フリートーク集

 

・2017年よかったものの備忘録としてApple Musicのプレイリストを作りました。

 

Are You Lonesome Tonight? (from “A Brighter Summer Day”) / Elvis Presley

Black’s Theme (from “Moonlght”)/ Nicolas Britell

Chanel / Frank Ocean

911 / Mr. Lonely (feat. Frank Ocean and Steve Lacy) / Tylor, The Creator

Holiday (feat. Snoop Dogg, John Legend & Takeoff) / Calvin Harris

神秘的 / 小沢健二

God Doesn’t Exist (from “Endless Poetry”) / Adan Jodorowsky

Half Man Half Shark / King Kruke

Blue Train Lines (feat. King Krule) / Mount Kimbie

Provider / Frank Ocean

Coyote / シャムキャッツ

Heptapod B (from “Arrival”) / Jóhann Jóhannsson

I Dare You / The xx

Kids (from “Stranger Things”) / Kyle Dixon & Michael Stein

青い月 / ミツメ

 

https://itunes.apple.com/jp/playlist/2017%E5%B9%B4%E8%89%AF%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE/pl.u-8aEVUNde4G5

 

 

 

 

おわりです。来年は2018年ですか、はえ~!

 

12/30

・そう、Father John Misty『Pure Comedy』とLorde『Melodrama』もかなりよかったです。Father John Misty、豊潤だ。マコーレー・カルキンがカート・コベインに扮している「Total Entertainment Forever」のMVも最高です。Lordeもフジロックですごくかわいかった。あとはトラップ、というか、Migosのよさがわかってきました。3人の佇まいがすごくキャッチーだし、独特な掛け合いにハマってしまった。聴いていて楽しいです。

・映画、イングマール・ベルイマン『叫びとささやき』も衝撃でした。息苦しいコミュニケーションからの超現実的な展開の中に真実を照らし出す鮮やかさ! 年末に凄いものを観てしまった。

 

12/31

Talking Heads × ジョナサン・デミストップ・メイキング・センス』、涙が出るほどカッコよかったです。